Kobo Touchを買ったのを機に、久しぶりに森博嗣の本を読んでみようと思い
探してみたら、今年発売の本があったので買ってみました。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/02/24
- メディア: 単行本
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森博嗣作品だと今まで、S&Mシリーズしか読んだことがなかったので、
ミステリー以外は初めてでした。
作品の内容紹介にはこうあります。
普通の家庭だったけれど、ちょっと変わった両親。
最後に息子がしたことは破壊か、それとも供養だったのか?
彼の母の第一の特徴は、ものを整理して収納することだった。それくらいのこと、綺麗好き整頓好きなら誰でもする。が、彼女の場合、完全に度を越していた。母は、父と結婚して以来、燃えるゴミ以外のゴミを一度も出したことがない。たとえば瓶、プラスティックの容器、ビニルの袋、空き箱、缶、紐に至るまでけっして捨てない。きちんと分別をし収納した。包装紙はテープを取りアイロンをかけて皺を伸ばし正確に折り畳み、輪ゴム一本でさえ太さ別にそれぞれ仕舞った。空き箱の蓋を開けると少し小さい箱が中に収まっていて、その蓋を取るとさらに小さな箱が幾重にも現われた。円筒形のお茶や海苔の缶も同様。家の至るところにそういったものが高密度で収納されていた。七歳年長の無口な父はときどき「こんなものは捨てれば良い」と言ったが、基本的に妻の収納癖に感心していた。平凡な家庭の、60年に及ぶ、ちょっと変わった秘密と真実とは? 森博嗣の家族小説!
良くある感動的なお話ではなく、決して悲しい話ではなく論理的に物事を考える家族のお話。
主人公の息子の生き方は、森さん本人に重ねているところがあるのかなと感じた。
いろいろ感じたところがあったが、1番良かったのが
母親がなくなる前の息子と母の会話で、息子が「お母さんはお父さんに言うべきことがあると思います」といい母が何を言うべきかと尋ねた際に、「ありがとうと言ってあげてはどうか」と答えたシーンで
それについて「自分が死ぬときに、周りのみんなにありがとうと言いたい、きっとそれが理想的な死に方ではないかと考えたことがあった」というのがあった。
死ぬときのことなどを真剣に考えたことがなかったから、自分勝手な死に方や誰かに当てつけるための死に方ではなく、こう周りに感謝して死にたいなと思った。
また、森作品を読んでいきたいと思う。