「すべてはFになる」などの著者である森博嗣さんの新書。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/06/29
- メディア: 新書
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この本について、このように書かれている。
だから、この本に書いた意見は、「これで科学を好きになってほしい」「少しでも興味を持ってもらえれば嬉しい」ということではない。「科学から目を背けることは、貴方自身にとって不利益ですよ」そして「そういう人が多いことが、社会にとっても危険だ」ということである。
理系の人について以下のようにかかれている。
だいたい同じように感じていたので納得。
理系の人の多くは、単に「ものを覚える」という勉強が面倒だと感じているだけだろう。 だから、文系の科学を「不得意」とは自覚せず、「やる気になれば、いつでもできるもの」と考えているのである
読書についての意見。
小説を書いているのも伝えたいことを小説にしているだけとのこと。
本を多く読むことは、必ず自分のためになる。そして、その本というのは、小説ではない。物語ではなく、情報や意見により耳を傾けるべきである
円周率について。
ゆとり教育で3.14がおよそ3になったのがバカらしいけど、なぜ3.14かを理解していなければ3.14も意味がないですね。
円周率だったら、「3より少し大きい」くらいを知っていれば充分だし、このことは、正三角形を6つ集めて正六角形にするシーンを思い浮かべれば、数字すら覚えていなくても自明のことだ
もっと印象的なフレーズがあったのだが、しおりを付けていたのはこれからいだった。。
この本の執筆中にちょうど東日本大震災が起きたとのことで、津波や震災に対する科学や報道について書かれている。
報道について、専門家に個人の感想を聞くことがあるが、あるが全く意味がない。
そのことについて、このように書かれていて、非常に納得した。
そして、最後には、こんなふうにきくのだ。「先生は、この事態についてどう思いますか?」と。いくら専門家であっても、その人がどう思っているのか、ということは聞いてもしかたがない。専門的な見地からデータを示し、それを評価しつつ説明することが専門家の価値である。その専門家が「残念です」とか「少し光が見えてきました」と個人的感想を述べても、そんなものに意味はない。しかし結局は、この最後の「感想」だけを受け取る人が大多数だし、番組もその言葉を欲しがっているのである。 もし僕がこの「どう思いますか?」という質問を受けたら、たぶんこう答えるだろう。「私がどう思っても、現実は変わりません」と(こういう物言いをする素直な科学者は、絶対にTVには出ないが)。